天空に刻印された巨大な十字架。 — 東京カテドラル聖マリア大聖堂

EXPLORATION / ARCHITECTURE ARCHIVE

天空に刻印された巨大な十字架。
東京カテドラル聖マリア大聖堂。

東京カテドラル聖マリア大聖堂の外観

1964年竣工。8面のHPシェルが天に向かってそそり立ち、上空からは巨大な十字架を描き出す。

項目 内容
名称 東京カテドラル聖マリア大聖堂
設計 丹下健三(構造:坪井善勝)
竣工年 1964年
構造形式 HPシェル構造(ステンレス張り)
所在地 東京都文京区関口3-16-15

天空を突く、ステンレスの鋭利な輝き

地上から見上げるこの建築は、もはや教会の概念を超越している。8枚の双曲放物面(HPシェル)を組み合わせた構造が天に向かって鋭く伸び、その表面を覆うステンレス鋼が空の色を反射して冷たく輝く。

1964年当時、コンピュータによる複雑な構造計算が困難だった時代に、設計の丹下健三と構造の坪井善勝は数学的極限に挑んだ。その結果生まれたのが、上空から見た時に初めて姿を現す巨大な十字架だ。都市に刻まれたその「記号」は、祈りの場であると同時に、力学という神殿の証明でもある。

東京カテドラル聖マリア大聖堂の十字架構造

空へと収束するライン。建築を巨大なアートピースへと昇華させる、数理的な必然性。

コンクリートの深淵、SF的静寂を照らす一筋の光

内部へ足を踏み入れると、外界の光は遮断され、圧倒的な打ち放しコンクリートの壁が迫りくる。窓はない。代わりに、シェルが交差する天井のトップライトから一筋の光が真っ直ぐに落ち、漆黒の深淵を貫く。

この無機質で冷たい素材の中に宿る神秘性は、1960年代から70年代の「冷戦時代のSF映画」の美学を彷彿とさせる。色彩を捨て、光と影のグラデーションだけで構成された空間。私はここを訪れるたび、遠い未来の、あるいは平行世界のモニュメントに迷い込んだような錯覚を覚える。ここでは、カメラのレンズを絞り、影の濃度に集中すべきだ。

東京カテドラル聖マリア大聖堂の内観と光

重厚なコンクリートと天空の光。色彩を排除した世界に現れる、光と影の真理。

Concept & Affinity

東京カテドラル聖マリア大聖堂は、我々Retro Future Labにとっての「精神的シェルター」でもある。ステンレスとコンクリートという無機質な素材が、人間の精神と出会った時に生み出す火花。

丹下健三が示した、未来への構造的な回答。それから半世紀以上経った今でも、この鋭利な曲線は我々の想像力を天へと突き上げる。we explore the boundary between brutalism and futurism.

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